元アメフト選手が日大DLの異常な危険タックルをわかりやすく解説!廃部か?監督が負うべき責任は?
みなさんお久しぶりです!
本日は私が最も好きなスポーツで起こった残念なニュースについてお話ししたいと思います。
メディアでは非常に大きく取り上げられている問題です。プレーヤーが相手選手に危険なタックルをしてしまった問題です。
アメフトは日本ではあまり人気が無く、こういったニュースで話題になってしまうのは大変残念ですが、私も現役時代はDLでプレーをしたという経験もあり、元選手目線で、この問題についてなるべくわかりやすく解説したいと思います。
日大のアメフト選手が異常な危険タックルをした問題を解説!監督の責任は!?
そもそも何が問題となっている!?
まず、アメフトの事をよくわからない方って多いと思いますので、そもそも何が問題なのかというところからお話ししたいと思います。
それは、タイトルの通り、危険なタックルをしたということです。
では、危険なタックルって何!?って思う方も多いと思います。アメフトはそもそもタックル前提のスポーツですし、激しくぶつかるスポーツなため、いまいち危険なタックルって言われてもピンとこない方もいるのでは?
実際ケガも多いスポーツですし、プロ選手の選手寿命は驚くほど短いです。
なので、ルールを厳しく作りこむことで、ケガを防止するという動きがとられています。
その最たるものが、不必要なタックルをしてはいけないというものです。
不必要なタックルを具体的にお話しすると、プレーに関与していないプレーヤーにタックルするということや、プレーが終わったにも関わらず、遅れてタックルをしにいくという行為ですね。
アメフトというスポーツは陣取り合戦で、攻撃側はいかにボールを前に運ぶか、守備側はいかに相手の前進を阻むかを勝負します。
基本的には守備側の人間は相手チームのボールを持っている選手を潰しにいきます(タックルをしにいきます)
一方、今回被害に合われた方は、QB(クォーターバック)と呼ばれる攻撃の司令塔のポジションで、自分でボールを持って走ったり、味方にパスを投げたり、手渡しして味方を走らせるといった、攻撃の指揮系統を担っています。
今回は、味方にパスを投げた時点で(厳密には違うのですが、わかりやすくそう言います)QBはプレーに関わっていません。
簡単に言うとボールを持っている選手は別選手なため、QBを潰しに行っても守備側には何のメリットもありません。ボールを持っている選手を止めるのに必死にならなければいけないシチュエーションです。
よって、プレーに関係していないQBにタックルをしにいったのが問題ということになります。
今回の危険タックルの異常性について
結論から言いますと、今回の問題はあり得ないことが起こっていると言えます。
今回の問題について、正式なファール名はラフィングザパサーと呼ばれるもので、パスを投げ終わった選手にタックルしてはいけないというルールを犯したものです。
ではこのラフィングザパサー、パスを投げ終わった後、どれくらいのタイミングでタックルしてしまうとファールになるでしょうか?
結論を言うと、結構シビアなタイミングでもファールをとられます。
守備選手はQBを倒そうと必死に追いかけてタックルしに行くので、急には止まれないケースがよくあります。
今のはファールじゃないんじゃないの!??という微妙なケースでもファールになることあります。
甲子園決勝で広陵VS佐賀北の試合で、現広島の野村投手が投げたボールがボール判定されたのと同じように、シビアなジャッジが行われることがあります。
では今回の件はどうでしょう。
日大の選手はどう考えても、QBがパスを投げた2~3秒後にタックルをしにいっています。
これは、元選手目線でも、素人目線でもあり得ないということがわかるかと思います。
証拠はありませんが、客観的事実からあり得ないことが起こっていると言えます。
今回のタックルの危険性について
今回のタックルは何が危険なのでしょうか?
後ろから行っている?腰の部分にタックルしている?
私が思うに一番危険と言える要因は、
意識の外からタックルしているということです
あり得ないことが起こっているということは、被害者のQBもまさか自分がタックルされるとは思っていません。
無防備な状態で体の力も抜けている中でのタックルなため、体が受け身やガードの準備が出来ていないことが非常に危険な所以です。
サッカーで言うと、
- シュートを打ったFWがゴールを外しゴールキックになる
- とぼとぼと自陣に戻るFW
- その後ろからシュートを打たれたGKが後ろからケリを入れる
とか
野球で言うと
- 2アウトでフライを打ってしまう
- 守備がキャッチしてチェンジとなる
- バッターがベンチに戻る相手選手を後ろからバットで殴りつける
そんなレベルなんじゃないかと思います。
日大の最大のミス
証拠はなく、わかりませんが、おそらくチームとして今回のタックルについては指示があったのではと思います。選手個人があそこまで露骨なファールを犯しにいくことは考えられません。
実際に監督の指示があったという証言も出てきています。
ここからは監督からそういった指示があったと仮定して意見を述べます。
では監督が悪いのか? もちろん悪いです。
タックルした選手が悪いのか? もちろん悪いです。
ただ監督、選手と同レベルでチームも悪いです。
大学生は十分大人ですので善悪の判断はつきます。監督も悪いですが、その中で指示があったからといってこのような行動をとってしまったDLの選手も悪いです。
そして、その事実がありながら、その後も試合終了まで続け、試合終了後に問題になりながらも次の試合を実行し…といったように、試合を重ねてしまったことが問題と思います。
危険な行為をしているといった事実を無視し、その危険に他チームをさらし、第2第3の被害者が出る可能性があったと考えると、試合を続けたという判断が日大の最大のミスかなとも思えます。
監督と日大の処分について
監督は間違いなく辞任する必要があるでしょう。
日大アメフト部はどうなるべきでしょうか?
私は少なくとも今年度の対外試合は禁止にすべきと考えます。
危険タックル後にすぐ謝罪をし、試合を中断させ、残り試合も中止するといった動きをとっていれば同情の余地はありましたが、チームとして悪質な行為を認知していたうえで、試合を続けたという行為は許せるものではありませんし、何より被害者自身及びその家族が許さないでしょう。
個人的にはアメフトというスポーツがもっと盛り上がればいいなという思いは持ち続けています。
日大という学生アメフトを代表するチームがこのような行為をしたことは残念ですが、これまでの日本のアメフト界を盛り上げてきたのも日大の力があると思いますし、また日大が今後も盛り上げていってほしいという思いもあります。
日大は今回の件を重く受け止めて、また這い上がってきてほしいと思います。
今は何より被害者の早期回復をただただ祈っています。